落下注意

140文字じゃ足りないこと

希薄になる地元

成人式には行きませんでした。

うちの市ではここ数年ちょっと有名なバンドが来ていますが、自分の年は多少知っているぐらいのバンドでした。一年前は好きなバンドだったので、その年なら是が非でも行ったと思います。

 

中学の同窓会には行きました。

たまたま同窓会の実行委員になっていましたが、大学は地元を出て他所で下宿していたので準備には殆ど何も参加出来ず当日の受付と雑用だけしていました。

最初は会場の設営をしたり、必要物資の買い出しに行ったりと仕事らしい仕事をしていたのですが、途中からネタがなくなったんでしょうね。預かっていた手荷物をきっちり各クラス出席番号に並べるという必要性が分からない職務を全うしていました。どうせ帰る時にまた散らばるんだし適当でいいだろ。

 

3組のた行に差しかかる頃には並べるのも上手くなったのですが、ホテルのスタッフにこちらでやりますので…と言われ無事無職になりました。無事と無職って一文字違うだけなのに差が凄いですね。無職は全然無事じゃない。

 

私は中学の同級生が誰もいない私立高校に進学していたので、地元に関するこだわりが、地元で積み重ねた時間が他の多くの同級生より薄いです。

高校1年生のうちは地元の友人とも遊んでいたのだが徐々に疎遠になり大学に進学する頃にはたまたま道で会えば挨拶する程度の関係性になっていました。

 

私の中で地元は中学校卒業時で止まっていました。

 

当然周囲は違います。皆交友を深めながら共に時間を積み重ねてきたし、同じ高校に行った者同士では尚更でしょう。

同級生達は高1〜大2までの間に見た目、人間性、関係性etc.は大きく変化していました。その変化に戸惑い、「馴染めなさ」を感じていました。

 

二次会に行く流れの中で、明日早く下宿先に変えられねばならないと言って断りました。帰りの電車は皆が降りる駅で降りず、一駅分行き過ぎてから歩きました。コンビニで買って高架下で1人飲んだストロングゼロが、いつもより苦い気がした。

 

地元には両親が住んでいます。実家があります。友人もいます。決して嫌いな場所ではなく、寧ろ好きです。だが自分にとって地元は、こだわる場所では、帰る場所ではないのでしょう。これから先、就職や結婚など人生のステージが上がるに連れて地元は自分の中でどんどん希薄な存在になっていく。そしていつかはお盆と正月ぐらいしか寄り付かなくなるし、思い出せなくなるのでしょう。

なんとなくそう直感した同窓会でした。

 

 

今週のお題「二十歳」